長座体前屈というストレッチがあります。足を前に伸ばして座り、手をつま先の方に伸ばして上半身を前に倒します。そして、手がつま先につけば「体が柔らかい」、手がつま先につかなければ「体が固い」ということになったります。よく、スポーツの前の柔軟運動としてこの長座体前屈をすることがあります。しかし、この長座体前屈、歩く、走る、打つ、投げる、跳ぶといった身体を動かすことにおいてどういう意味があるのでしょうか?身体移動の効率を追求するロコムーブとしては、この長座体前屈は要らないものと考えています。なぜなのでしょうか? 

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長座体前屈とはどのようなストレッチなのか

 

長座体前屈とは足を前に伸ばして座り、手をつま先の方に伸ばして上半身を前に倒す運動です。

この動きによって臀筋(お尻)、ハムストリングス(裏腿)、腓腹筋(ふくらはぎ)のストレッチになります。臀筋(お尻)をストレッチすると腿上げのように股関節を曲げる範囲が伸びます。ハムストリング(裏腿)も同じです。腓腹筋(ふくらはぎ)をストレッチすると足のつま先を上に上げる範囲が広がります。

筋肉のストレッチによって関節を動かせる範囲が広がるというのは、いいことのように聞こえます。関節を動かせる範囲が狭い、ということは身体を動かすにあたっての制約になってしまいますからね。しかし、筋肉は柔軟であるほどよい、関節の動く範囲は広いほどよいかというと、必ずしもそうではありません。

歩く、走る、打つ、投げる、跳ぶといった身体を動かすために必要な関節の可動範囲があります。筋肉というものはその必要な関節の可動域の分だけ柔軟であればよいのです。股関節も足首の関節も歩く、走る、打つ、投げる、跳ぶという動きに必要な分だけ曲がればよいのです。

そう考えると、股関節を膝がお腹に触るくらいまで曲げる必要がありませんし、つま先がスネに触るほどまで曲がる必要もありません。筋肉の柔軟性は必要最低限でよいのです。

 


縮んでこその筋肉だ

 

では、なぜそんなに筋肉の「必要最低限の柔軟性」にこだわるのでしょうか?別に筋肉が柔軟なら柔軟な方がよいではないか、という疑問がでてきます。なぜ、筋肉の柔軟性は必要最低限にとどめておくべきかというと、筋肉の本来の仕事は縮むことだからです。

筋肉は伸びた状態から縮むことで関節を曲げたり伸ばしたりします。そうすることで歩く、走る、打つ、投げる、跳ぶという動きをすることができるのです。

臀筋(お尻)、ハムストリングス(裏腿)は股関節を伸ばして、地面を蹴るために縮みます。腓腹筋(ふくらはぎ)はつま先を下に向けて、同じように地面を押し下げるために縮みます。

これらの筋肉はどれも歩く、走る、打つ、投げる、跳ぶという動きのためにとても重要な働きをします。これらの筋肉が縮む力を損なわないために、柔軟性は必要最低限でいいのです。

 


長座体前屈よりカンガルーがおすすめ

 

ロコムーブでは長座体前屈よりもカンガルーをおすすめします。カンガルーは股関節の屈伸運動です。この股関節の屈伸運動の中で、特に臀筋(お尻)、ハムストリングス(裏腿)はストレッチされて、ストレッチされると同時に縮み始めます。

筋肉というものはストレッチされると筋繊維の組織を守るために縮むのです。そのまま、その縮む力を使って股関節を伸ばします。

その臀筋(お尻)、ハムストリングス(裏腿)がストレッチされて縮み始める、その縮む力を使って股関節を伸ばす、という動きはそのまま歩く、走る、打つ、投げる、跳ぶという動きの中で体がやっていることそのものなのです。

それは長座体前屈のようにただ筋肉をストレッチさせることとは違います。

 

 

カテゴリー: 準備運動