「股関節を使う」
スポーツ経験のある人なら必ず言われたことや、意識をしていることだと思います。
人体はあらゆる動作を股関節を中心に行うので、最も大切な関節部位の1つと言えます。
しかし、この『股関節』という部位が少々やっかいなのです。
詳しく解説していきます。

股関節とは大腿骨と骨盤の繋ぎ目を指し、クルクルと回転する構造になっています。
骨盤と大腿骨の相対的な位置関係の調整することを股関節を動かすと言います。

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先述した股関節の”やっかいさ”とは骨盤の構造にあります。
簡単にいうと骨盤は寛骨と仙骨の2枚の骨で構成されています。

少し脱線しますが、整体等で「骨盤が歪んでますね」と脅し文句のように言われた人もいるかもしれませんが、骨盤が歪むというよりも股関節の可動域に左右差が生じて骨盤の高さや角度にズレが生じていることがほとんどです。

話を戻します。
そして、骨盤の構成要素の1である仙骨とは背骨の土台になります。

背骨は上から頚椎〜胸椎〜腰椎〜仙椎となり、これは骨盤の動きが脊柱の配列に規定されてしまうことを意味します。

なので、股関節を使うという時、解剖学的には骨盤と股関節の相対的な位置関係を指すのですが、骨盤が脊柱の土台である仙骨を含んでいるため、大腿骨と脊柱全体の相対的な位置関係を考慮しなければ本当の意味で「股関節を使う」ということはできないのです。

ここが「股関節を使う」という難しさとやっかいさです。

なので、地面に力を加えるスポーツのみならず、リハビリ等でも股関節の動きを最大限引き出すために、脊柱の配列=姿勢のことを口を酸っぱくして追求します。

股関節の動きを意識する際に脊柱全体の位置関係を俯瞰し、コントロールする能力を身につけることは至難の業ですが習得する価値は必ずあります。

カテゴリー: 考え方身体操作論