前傾姿勢、この言葉ほど誤解を生みやすい概念は無いのではないでしょうか?
「身体を前傾すると腰に良くない。」
顔を洗う姿勢・食器洗いの姿勢等の前かがみの姿勢は確かに腰によくありません。
しかし、前屈みと前傾は似て非なる動作なのです。
前かがみとは腰椎を起点にしてその上部が前に倒れる動作を指します。
前傾とは股関節を起点にしてその上部が前に倒れる動作を指します。
つまり”前かがみ”と”前傾”の違いは前に倒れる起点となる場所が腰椎なのか股関節なのかに分けられます。
股関節から前に倒れる前傾姿勢は上半身の重みを強靭なお尻や裏ももで支えるので身体の負担は小さいです。
しかし、腰椎から前に倒れる前かがみでは上半身の重みを支える強靭な筋肉は存在しておらずヘルニア等を誘発しかねません。
なので、股関節を起点とした前傾姿勢は身体にとっては安全なのです。
しかし、お尻や裏ももの筋肉が硬くなっていると股関節を起点にした前傾姿勢を取ることができず腰椎を起点とした危険な前傾姿勢を取りがちになってしまいます。
前傾と前かがみ、この似て非なる動作ですが健やかな人生のためにも真の前傾姿勢を身に着けたいものです。