クッション性の高い靴は体を守ってくれるものという気がします。しかし、実はクッション性高い靴は老化を早めます。そもそも靴のクッションは何のためのものなのでしょうか?クッション性が高い靴をはくとどんな問題があるのでしょうか?私達はどのように靴を選べばいいのでしょうか? |
目次
靴のクッション性は何のため
靴は足を守ってくれています。地面に硬く尖ったものが落ちている場合でも靴によって足が傷つくことを防げます。
しかし、クッション性が全く無くても、足を守ることはできます。大昔の靴は木でできていました。
それではクッション性は何のためかというと、足を地面の衝撃から守るためです。
足の骨格はとてたくさんの骨がより合わさってできています。さらその下に足底腱膜という筋が走っています。これらの構造強い衝撃から守るため靴にクッション性が必要なのです。
今はアスファルト上を歩くので、昔よりも地面が硬くなっていますのでなおさらです。
しかし、靴のクッション性は高ければ高いほどいいのでしょうか?そんなことはありません。靴のクッション性が高いと起こる問題もあります。
靴のクッション性が高すぎると起こる問題
靴のクッション性が高いと起こる問題もあります。それは、人が地面から返ってくる力を活かすことができないという問題です。
立って、歩いているときのことを想像してみましょう。一歩一歩、地面に力を加えることで歩いていますが、地面は加えられた力と等しい力を返してくれます。その力を使って立って歩くことができるのです。
もし、地面が力を返してくれなければ、どんどん地面にめり込んで行ってしまいます。底なし沼のようなものです。
あまり靴のクッション性が強いとこの地面が返してくれる力も小さくなってしまいます。ふわふわした地面に立っているようになってしまうのです。
あまりふわふわしているとそれはそれで困ります。ある程度は力を返してくれないと困るのです。
特にかかとの部分が着地した時に力が返ってくることが重要です。この部分に着目してみましょう。
振り出した足が着地するときに、理想はかかとから着地することです。
かかとの部分が着地すると、前に進んでいたかかとに対して地面からのブレーキがかかります。
このブレーキの力でかかとを中心に脚が回転して地面と垂直な方向に向けて立ち上がります。このかかとを中心とした回転をヒールロッカーと呼びます。
このヒールロッカーは地面がかかとに返してくれた力を使って起こるものです。
もし、靴のクッション性が高く、地面からの十分な力が得られないとすると、困ってしまいます。脚を地面と垂直な方向に向けて立ち上げるために別の方法に頼らなければならなくなります。
その方法とは膝関節の屈伸を使う方法です。
振り出した足のかかとが地面についた時に地面からの力が得られないとします。するとかかとを中心とした、回転の力が働かず、脚を地面と垂直な方向に向けて立ち上げる力が得られません。
その場合、一度膝を曲げます。膝を曲げるとももの筋肉が自然と張ります。そのももの筋肉の張りを使って、膝を伸ばします。ももの筋肉をバネのように使うのです。
すると歩行フォームとして一度沈み込んで戻る、沈み込んで戻るというフォームになります。このフォームが老化を早めます。
筋骨格系の視点で見れば、老化とは重心位置が低くなっていくことです。お年寄りは背中が曲がり、腰が曲がり、重心位置が低くなっていきますね。
そして重心位置が低くなり過ぎると自分では体を支えきれなくなってしまいます。
沈み込んでは戻る、沈み込んでは戻る、という歩行フォームは、自らすすんで重心位置を低くして、老化を進めているようなものです。
着地したかかとに地面からの力が返ってくるくらいには靴のクッション性を抑えたものを選びましょう。
結論:クッション性の高い靴は老化を早める
クッション性の高い靴は老化を早めます。靴を選ぶ時には、ためし履きの時に振り出した足がかかとから着地するときに、力が返ってくることを感じられる程度にクッション性が抑えられていることを確認しましょう。
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