「最近、運動不足だから通勤の1駅分歩こう」
「毎朝散歩しよう」


日々のルーティンの中に歩行という運動を取り入れている人が増えてきた印象があります。
今はスマホでも歩数が計測できるようになり『万歩計』のネーミングが表すように1日1万歩を目安として目標化しやすいことも歩行運動が習慣化しやすい理由かと思います。

しかしながら、たくさん歩くことで膝や腰が痛くなると訴える方も多いのが現実なのです。
しかも「いつも右膝ばかり、左の足首ばかり」と言った局所的な痛みを訴えるケースが多いです。
真面目な方になればなるほど『1日1万歩』の目標を達成するために痛みに耐えて頑張り続けてしまいます。

しかし、その1日1万歩の努力の果てが外反母趾や膝関節の変形といった取り返しのつかない怪我に繋がるケースも少なくありません。

数値化された目標は短期的には結果が出やすいというメリットをもたらしますが、プロセスに対しておろそかになりやすいというデメリットも併せ持ちます。
そのデメリットによって、希少で有限な身体を構成する関節や骨、靭帯等を壊してしまっては本末転倒と言わざるを得ません。
普段デスクワークで背中が丸く頭が前に出ているような姿勢の人がたくさん歩けば、首のストレスだけでなく、膝が不必要に曲がり膝のストレスも大きくなるでしょう。
また、右の着地脚の膝が内側に傾きやすい人は膝の内側へのストレスが蓄積しやすく、バランスを取るために右腰の負担が蓄積し続けることも考えられます。

このように見てみると歩行動作というのは日常で簡単に行える代表的な運動ですが、正しく歩くことは大変難しい動作だと分かります。
仕事や家事等の日常生活動作や過去の怪我等による身体のアンバランスさが加わることで、更にその難易度は高まります。

つまり、歩行運動が健康に結びつくためには歩く手前の歩行に適した姿勢や身体に局所的なストレスが蓄積しない歩き方を身につける必要があるのです。
必ずしも歩数に比例して健康が増進するとは言えないのです。

ロコムーブはエネルギー効率の良い移動形態を追求して生まれた体操なので、ロコムーブの体操をマスターすることで結果として合理的な歩行動作が身につくようになります。
合理的な歩行動作は不必要な筋肉の緊張や疲れも無いので、快適に楽しく1万歩を達成できるようになります。

くれぐれも痛みや不快感の出ている状態で『1日1万歩』の呪縛にとらわれずに、歩行動作そのものを見返すきっかけにしていただければと思います。

 

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