腕立て伏せ(プッシュアップ)は人気の筋トレメニューです。たくましい胸筋、二の腕、引き締まった腹筋を手に入れたいと思う人は多いようです。しかし、実際に体を動かす時の合理性から見ると、合理性がなく、それどころか老化を早める結果になります。どうしてなのでしょうか?見ていきましょう。 |
目次
腕立て伏せとはどういう運動か
腕立て伏せとは人気の筋トレメニューです。
腕をお腹の方に引きつける動きで胸筋のトレーニングになり、肘関節の曲げ伸ばしによって上腕三頭筋のトレーニングになります。
さらに、胸椎と腰椎の伸展を防ぐために腹筋トレーニングになります。
それらの筋肉は人目につきやすい筋肉です。これだけ多くの人目につきやすい筋肉を鍛えることができます。
道具や特別な場所が不要で自重だけでできることも人気のポイントでしょう。思い立ったらすぐに始められるトレーニングです。
このトレーニングが人気である理由は分かるのですが、これはどのような運動なのでしょうか?
筋トレなので、筋肉を見てしまいがちですが、この腕立て伏せがどのような運動なのかは、関節運動に注目して見ていきましょう。
それというのも、筋肉は関節を動かすための道具に過ぎません。この腕立て伏せに限らず、ある運動を見ていくときにはどの関節をどのように動かしているのかを注目するとその動きの性質がよくわかります。
まずは、肩関節の内旋です。腕を胸の中心に向かって回旋させる動きです。
次に、肘関節の伸展です。曲がった状態の肘関節を伸ばしたり、逆に体の重さに対抗しながらゆっくり屈曲させていきます。
ここまでは、肩関節から末端にかけての動きで、見えやすいですね。
しかし、それだけではなく、体幹近くでも動きがあります。
まず、肩甲帯の屈曲です。肩甲帯とは、肩甲骨と鎖骨の組み合わせで、連動して動きます。腕立て伏せによって、胸の左右が狭まり、反対に背中では左右の肩甲骨が離れます。
次に、胸椎と腰椎の屈曲です。腕立て伏せの体勢で力を入れないとお腹が地面について、背中が反ってしまいます。そうならないように、胸椎と腰椎に屈曲する力をかけてお腹が地面につかないように維持しています。
腕立て伏せの関節運動をまとめると、肩関節の内旋、肘関節の伸展、肩甲帯の屈曲、胸椎と腰椎の屈曲です。
これらの動きを一斉にやると、体をダンゴムシのように丸めながら、胸の中で何かを抱きしめる動きになります。肘は伸ばしたままなので、変な抱きしめ方ですが。
腕立て伏せというのは、体をダンゴムシのように丸めながら、胸の中で何かを抱きしめる動きを力強くできるようにするトレーニングなのです。
腕立て伏せを続けるとどうなってしまうのか
腕立て伏せを続けると、体を丸めながら、何かを抱きしめる力を増すトレーニングです。
まず第一に、そういった動作を力強く行う必要性がでような機会が生涯の中でどれくらいあるのか、ということが気になります。
それだけでありません。このトレーニングを続けていくと、老化が早まるということも気になります。
人間は老化よって高さを失っていきます。背中が曲がり、腰が曲がり、膝が曲がり、体が折りたたまれて、高さを失っていきます。
腕立て伏せによって、体を丸めながら、何かを抱きしめる動きが神経系に繰り返し学習されて、そのための筋力も上がっていきます。
それは、老化によって、背中が曲がり、腰が曲がっていく過程をあえてより速いスピードで進めようとしていることほかならないのです。
それでも格好良く見られたい
それでも腕立て伏せは人気の筋トレです。人目につきやすい筋肉を道具に要らず、場所を選ばず鍛えられるので人気があるのも分かります。
分厚い胸筋や、たくましい二の腕、引き締まったお腹は格好良く見えるということになっています。
しかし、それによって背中が自然とまがっていっているとしたら、どうなのでしょうか?背中の丸まった姿勢はいじけた印象をあたえることもあります。
それが本当に格好いいのかどうかはもう本人しか決めることのできないことだと思います。
結論:腕立て伏せをしてはいけないか
上記を踏まえて、ロコムーブとしては腕立て伏せをまったくもっておすすめしません。
身体移動にとって、必要でない筋肉を鍛える、身体移動にとって非効率な動きを神経系に学習させてしまうものです。結果的に老化が早まります。
ロコムーブは身体移動の能力に価値をおいているのでそうなるのです。たくましい上半身という見た目に価値を置く価値観もあるので、やはり自分の手に入れたいものを手に入れるのがよいだろうということになります。
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