以前のブログで腹筋運動(クランチやシットアップ)はいらない、と書きました(こちら)。しかし、ぽっこりお腹は気になります。もし、ぽっこりお腹が気になったらどうすればよいのでしょうか?この記事ではロコムーブの視点からぽっこりお腹の対策について書きます。 |
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ぽっこりお腹が気になったら姿勢を見直そう
ぽっこりお腹は気になるものです。ふと、自分の姿が映ったとき思いがけず自分のお腹がぽっこりしていることに気づいたりして、慌ててお腹を凹ませたりしますが、やっぱり自分はこんなにお腹がぽっこりしていたんだとショックを受けたりするものです。
お腹がぽっこりしてしまうのはなぜなのでしょうか?多くの人はそれはお腹周りの脂肪、内臓脂肪や皮下脂肪のためと思っています。しかし、それだけではなく、姿勢の貢献も結構大きいものがあります。骨盤が後傾した状態で立つと、ちょうどお腹の部分が骨盤や腰椎の傾きの上に乗っかってしまう姿勢になり、それがお腹をぽっこりと見せるのです。
ですので、ぽっこりお腹が気になったら姿勢を直すことをおすすめします。骨盤の後傾を直せば、お腹が骨盤や腰椎の傾きに乗ったりせずにまっすぐに配置されるのでとても即効性のある対策になります。
腹筋は鍛えなくてもいいの?
それでは、腹筋を鍛えなくてもよいのでしょうか?ロコムーブではクランチやシットアップといった筋トレはおすすめしません。本来、腹筋は人間の生活にとってとても重要な筋肉です。日々、以下のような様々な働きをしています。
- 排便を助ける
- 重量物を持ち上げる際、腹圧を高めて腰椎と胸椎を伸展させて脊柱を保護する
- 外力による内臓の保護
- 片脚支持バランスの安定性を高める
等々、腹直筋・腹斜筋・腹横筋に代表される腹筋群は我々が生きていく上では必要不可欠と言えます。特にロコムーブの視点でこの腹筋の働きを見ると、この腹筋の働きがロコムーブの動きにとっても必要不可欠なものです。下の写真はロコムーブの種目を始める前の基本的な姿勢であるロコムーブ・スタンスです。
両足の外側が並行になるように立ち、前方に重心をかけます。足が股関節の真下に位置するようにして、骨盤を立て、みぞおちを引き上げます。そして、あごを引きます。この姿勢は、前や横に動き出すのにもっとも有利な姿勢です。この姿勢を取ると自然と腹筋が活動して、腹圧が高まります。背筋を伸ばす、脊柱起立筋と腹筋がバランス良く働いて胸椎を伸ばします。腹筋は無理に使おうとしなくても、使われるものなのです。
腹筋に限りませんが、筋肉というものは本来人間が活動をするために「使われる」存在です。人間は歩く・走る・投げる・跳ぶ・打つという動作の中で、高い重心位置を運動エネルギーに変えて動作しています。ですから、重心位置は高く保っておくほうが有利です。そのためには、胸椎が程よく伸びていた方が重心位置を保ちやすく有利なのです。その胸椎が程よく伸びた状態を脊柱起立筋と腹筋のバランスの取れた活動で生み出すのです。腹筋の活動は効率的な身体移動のためのメカニズムに予め組み込まれているものなのです。
ぽっこりお腹が気になったらロコムーブを身に着けよう
腹筋は効率のよい身体移動のために「使われる」筋肉です。もし、腹筋を鍛えたければ効率のよい身体移動そのものを身につけてしまえばいいのです。そうすれば、歩く動作をするだけで腹筋運動になります。
そのためにはロコムーブの動作を身につけることです。ロコムーブによって運動学習が進み、自然と効率のよい身体移動ができるようになります。
しかし、腹筋はあくまで「使われる」筋肉なので、その筋肉のために動作を習得するということ自体が本末転倒なのですが、それによってモチベーションを得る方もおられるかと思った次第です。
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