スタンディングデスクというものがあります。立ったままで仕事をするような脚の長いデスクです。長時間座ったままでいることは健康によくないという考えがあり、それならば立ったまま仕事をすればいいではないかと、考えられたものです。しかし、スタンディングデスクは本当に体に良いのでしょうか?私達ロコムーブとしてはスタンディングデスクはまったくもっておすすめしません。その理由をご説明します。 |
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スタンディングデスクによる身体への変化
スタンディングデスクは立ったまま仕事をするためのデスクです。このデスクを使うことによって、どのように身体は変化するのでしょうか?スタンディングデスクで「痩せる」と思う人がいるかも知れません。または、「健康になる」と思う人がいるかもしれません。もちろん、長時間立っている方が長時間座っているよりもカロリー消費は多いことでしょう。
しかし、本当にそれが健康的なのかというと私達ロコムーブはそうは考えません。
立ったまま仕事をする、ということはもう少し具体的にいうと、立ったままパソコンを操作して、メールを読んだり書いたり、資料を作ったりするということです。その時、脳や神経は自分が今読んでいるメールや作っている資料に集中しています。
そんな時、身体を支えるために筋肉を緊張させるために司令を送るような余裕はありません。そうなると、身体は自然と筋肉を緊張させなくても身体を効率的に支えられるような姿勢を取るようになります。それが体育の授業のときに使われる「休め」の姿勢です。
体育の授業で身につく「休め」の姿勢とはどのような姿勢なのでしょうか?まず片脚に重心を集中させます。そして、左右で重心を置いている方の腰を外に少し出します。なぜ、これで「休め」の姿勢になるでしょう?言いかえると、なぜこの立ち方が楽なのでしょうか?
なぜなら、この姿勢をとると腸脛靭帯に頼って立つことができるのです。腸脛靭帯は主にお尻の筋肉から派生して、すねの骨まで伸びています。腰を外側に張り出すことで、このお尻からすねまで伸びる靭帯を張って、その靭帯に寄りかかるように立てるので楽なのです。
スタンディングデスクは体に良くない
もしその「休め」の姿勢が楽ならばその方がいいじゃないか、と思われるかもしれません。しかし、そう簡単な話でもありません。この腸脛靭帯、長期間にわたって寄りかかると、伸びていってしまうのです。
この靭帯をゴムバンドに例えます。お尻からすねまで張ってあるゴムバンドがあったとして、そのゴムバンドに寄りかかっていれば立つのは楽ですが、長い間寄りかかっているとこのゴムバンドはビロビロと伸びって行ってしまいます。もし、これがゴムバンドだったら取り替えればいいやと思えるのですが、腸脛靭帯は取り替えることができません。
この腸脛靭帯には役割がありまして、股関節や膝関節を安定させるためにあるものです。もし、その靭帯が伸び切ってしまっていては股関節や膝関節がグラグラしてしまいます。怪我をしやすい身体になってしまうのです。
それに、スタンディングデスクのように立ったままパソコン操作をしていると、結局腸脛靭帯に頼って立つことになるので、筋肉も期待したほどには活動しません。すなわち思ったようには痩せません。
スタンディングデスクよりゲーミングチェア
それなら長時間座る仕事とどのように付き合ったらいいのでしょうか?脳や神経を仕事に集中させながら、立ったり、歩くということで身体の機能を使おうとすることはおすすめしません。
なぜなら、身体は脳や神経の資源を使わないでそれらの動作ができるように、本来使いたい組織ではなく別の組織に代償させようとするからです。ならば、長時間座る仕事をするならば、座っている間は脳と神経を目の前に仕事に集中させ、適宜休憩をとって身体を動かすことをおすすめします。
ならば、思い切って仕事に集中するときには体重を支えることを意識せずにすむゲーミングチェアに座り、時間を決めて集中し、休憩をとって身体を動かすほうがむしろ良いです。
そして、身体を動かす時には自分が身体を動かしていることに神経を集中させましょう。自分の足元に気を配り、どのように身体を動かしているかを感じながら動いてください。「ながら」の動きは怪我をしやすい身体を作りますからね。