「肩の力を抜きなさい」
これはあらゆるスポーツから文化的所作においても、よく指摘される言葉です。
しかし、本人が肩の力を意図的に入れていない場合、指導者が求めるような肩の力が抜けた状態を作ることは困難です。
「肩の力を抜きなさい」は「肩の力を入れるな」という否定語の司令となり、身体は否定語の意味を理解できません。
意図的に肩の力を入れていないのに、肩に力が入ってる場合はその必然性がどこかにあるのです。
その必然性の元を変えない限り、肩の力が抜けた状態を作れません。
肩に力が入ってる場合以下のようなことを身体に指示してみてください。
- お腹に両手を当てて、持ち上げる。
- うなじを伸ばすように、顎を引く。
- みぞおちを引き上げる。
- 足裏の荷重を少し前に移動する。
…etc
指導者の方は、これらの言葉がけや誘導で肩の力が抜ける瞬間が必ず現れるので、その瞬間を指摘してあげてください。
「肩の力が抜けたとは、このような状態なのか」
ということを身体で理解できます。
つまり『〜〜するな』という否定語で身体に司令を出すのではなく、能動的な司令を身体に出す事で結果として望む状態をつくるのです。
大変難しいことですが、否定語で指示をしても何も変えてくれません。
能動語が突破口となります。
「肩の力を抜いていこうぜ!」よりも「みぞおち上げて行こうぜ!」の方が良い結果が得られるでしょう。